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ぬるい懐古オタクがだらだらと語るだけ。

進撃沼は地獄だ

進撃の沼にどっぷりはまってしまいましたが、正直、はまったのが最近でよかったと思っています。この地獄っぷりだと、早くにはまったとしても途中で脱落していた可能性が高い…。先が見えないのはきついからねぇ。あと2か月かと思えば、メンタルやられても耐えられそう。

 

以下、殴り書きなので、まとまっていませんが、興味のある方だけ、どうぞ。

 

 

で、この地獄の沼の原因は、原作の鬱展開もあるのですが、ファンの分断というか、罵り合いを見るのがきつい。うっかり感想を検索して、一部のファンからハンジやアルミンがヘイトを集めているのを見るのが辛いです…。主義主張が違うのはわかるんだけど、キャラに罪はないと思うよ。ヘイトをまき散らされているのを見るとすごくストレスがたまる。色々なファンの感想を見たいと思って検索するんだけど、ヘイトをうっかり目にしてしまうと本当につらい。余計な検索をやめた方が私の精神衛生上いいのかも。

ここまでファンが分断して罵りあっているジャンルは初めてだわ…。私が二次創作やっていたジャンルでは、劇パト2が意見のわかれる作品で、批判合戦になっているけど、まああれは犬監督に批判が収れんして、キャラが批判されるわけではないからねぇ。進撃に比べたら全然可愛いもんだ。(そもそも劇パト2の批判に関しては犬監督の自業自得と思うからねぇ)

 

ネットから遠ざかることで、ヘイト感想は避けられるとして、原作の描写で私が一番ストレスを感じる点は、マーレ本国の政治体制が全く描かれていないこと。

軍事国家ということで、軍による独裁体制なんだろうけど、行政機構の描写が全くないから、すごくストレスがたまる。結局、マーレに在住するエルディア人を収容区に入れて、差別的な扱いをしているのはマーレの行政府の問題でしょう。巨人の力を戦争に使っているのだってマーレが悪いわけで。その政治体制が全く描かれていないから、パラディ島にとっての交渉相手が見えない。だから、停戦協定を結ぶ道のりが見えないんだよね。地ならし以外の代替案がないといってハンジやアルミンが批判されているけど、原作者様が見せていないんだから、そりゃ代替案がないでしょうに。まあ、地ならしを起こす理由が必要だから、簡単に停戦の道のりを見せるわけにはいかないっていうメタな理由もあるんだろうけれど。

パラディ島の統治体制もすごくあやふやな描写で、それだけでもストレスたまるんだけど、マーレの体制がわからないのは、ますますストレスがたまる。軍の元帥がマーレの法社会制度を全て決定しているわけではなさそうだし、タイバー家だってそう。マーレの統治体制が描かれていないのだから、「話し合い」の道が見えないのは当たり前だよね。

勿論、マンガとしてこれ以上風呂敷を広げるわけにはいかないっていうのもわかるし、原作者様が政治劇に興味はないっていうのもわかるんだけど、ちょっと片手落ちに見える。単なるファンとしては、推しキャラのハンジがそのおかげで割りを喰って、地ならし賛成派からヘイトを集めているのを見るのが辛いってだけの理由なのかもしれないけど。そして、ハンジ亡き今はアルミンがその嘲笑のターゲットになっているのを見て胸が痛い。

 

あ、でも、すごく上手いなあと思ったのは、調査兵団の変質とナショナリズムの誕生に関する描写。これは唸りました。

そもそも調査兵団は人類の自由のために壁の外の世界を調査するのが主目的。以前は壁の外に人類がいるとわかっていなかったから、壁内人類のために尽くすことが人類に尽くすことと同義だった。でも、壁の外に人類がいるとわかり、壁内人類と壁外人類にわかれることになった段階で、壁内人類(パラディ島のエルディア人)にアイデンティティが固定して、新生エルディア国(帝国)の調査兵団(イェーガー派)は壁内人類を守る兵団になった。他者を発見することで、自他の境界が明確化し、国家が誕生して、ナショナリズムが生まれるというお手本のような描写だよね。一方で、昔の調査兵団は人類全体のために戦うという意識があったから、旧調査兵団の最後の生き残りともいえるハンジが地鳴らしを止めるために立ち上がったというのは、旧調査兵団のスピリットを体現しているという点で、この描写もすごく上手いと思う。そもそも、調査兵団って変人の巣窟で「負けたことしかない」兵団だからねぇ。(調査兵団の)仲間を犠牲にしてでも人類の未来を取るという連中の集まりだったわけで、仲間(パラディ島)を守るために人類を犠牲にするという新調査兵団(イェーガー派)とは全く相いれない。104期生の子たちはちょうどその変革期に当たるから、イェーガー派とハンジ派と二つに分裂したのが面白いね。「心臓を捧げよ」という欺瞞に満ちた号令がナショナリズムの高揚に使われていくのも、すごく上手な描写だと思う。

 

これから先、どう決着をつけるんだろうか。やっぱり地鳴らししか選択肢がなかった、とか、地鳴らしは正しい選択だったとかいう結末だったら、個人的にはすごく残念に思うだろうね。虚構の世界だから、地鳴らしでもなんでも、無差別大量殺人が描写されること自体に反対しているわけではないのよ。ただ、それが正当化されるのをすごく懸念しています。代替案がなくても虐殺は正当化されてはいけないし、少なくとも劇中で誰かがそのモラルを表明しなきゃいけない。(ハンジが死んでしまった今は、アルミンに頑張ってもらいたいところ。)そもそも、人の生存権は条件付きなんてありえないでしょ。カルラが子どものエレンを抱えて、キースに「この子は生まれてきただけで偉いんです」って言っていたけど、その通りで、条件もなく人は肯定されるべきなんだよ。それが普遍的な人権でしょ。だから、エルディア人は条件などなくても虐殺されるべきではないし、それ以外の人類も条件などなく虐殺されるべきじゃない。

でもでも、本当に、この物語に決着がつくんだろうか…。

ここまできたんだから、104期の子たちも、マーレの戦士たちもみんな生き残って欲しい。エレンは半分諦めているけど、でも、ミカサちゃんにだけはちゃんと自分の思い(たとえ恋愛感情じゃなくても、家族愛でも友愛でもいいからさ)を伝えてあげて欲しい。リヴァイは最後に残った戦友ハンジを失って辛いだろうけど、生き残って、ハンジが人類のために最後まで超大型巨人を相手に一人で戦ったことをパラディ島の人に伝えてほしい。このままハンジが売国奴扱いは可哀想だ…。と書いていて、私はハンジの死を納得したつもりでいたけど、本当は納得していないんじゃないかと思えてきた…。リヴァイに生き残って欲しいと思うのも、(ミカサじゃないけど)ハンジを思い出す人がいなくなってしまうのがイヤだと思うからなんだ。

 

 

 

以上、もやもやした感情を吐き出すための殴り書き。来週は本誌発売かな。これで最終回の一つ前か。怖いなぁ。