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ぬるい懐古オタクがだらだらと語るだけ。

アニメ「進撃の巨人」ファイナルシーズン完結編後編を見た

アニメ「進撃の巨人」ファイナルシーズン完結編後編について。

うちのタイムゾーンでは11月4日夜7時配信なので、待機していました。でも、予想通りクランチーロールが落ちまして、30分くらい経ってからようやく見ることができました。

オタクとしては、きれいに(懸念材料だった点を修正して)終わらせてくれて、よかったし、ホッとした、という一言かな。でも、責任ある大人としては、うーん、丸め込まれたようで、なんだかなーという感じ。ハンジ推しとしては、ただただ寂しいの一言。

という風に感想が分裂してしまっています。

 

1.オタクとしての私

漫画版(本誌と単行本)で一番懸念材料だったのはアルミンのセリフで、「ありがとう、僕達のために殺戮者になってくれて、この過ちは絶対無駄にしないと誓う」という点。ここが修正されていたので、ホッとしました。このセリフはあまりにも問題がありすぎるし、皮肉だとしても、皮肉にとれないし、まじで洒落にならないセリフだと思ったので、アニメでは修正されていてよかったです。現状、ウクライナとガザで戦争が続行中に、こんなセリフが放送されれば炎上必至だと思うので。

 

banana-snow.hatenablog.com

本誌での最終話を読んだ直後の感想。かなり動揺して困惑していました。

そのあとは、かなり怒っていました。単行本を読んだときも、このセリフが修正されていなかったので、かなり荒れていたなぁ、私。

 

banana-snow.hatenablog.com

 

先生も連載終了後に批判されて(でも単行本では修正がなかった…)色々思うところがあったと思うんだけど、冷静に振り返るための時間が必要だったのかもしれない。諌山先生がご自身で修正の指示を出されたようだけど、先生ご自身にとっても、アニメスタッフにとっても、これでよかったと本当に思います。

進撃のあとに、色々なバトルアニメ(漫画)が流行ってきたけれど、進撃ほどに独特の世界観を構築できているものは寡聞にして知らず、です。オリジナリティのある稀有な作品だと思うので、批判されて炎上して、闇に葬られるにはあまりにも勿体ない作品だと思います。アニメの出来もいいですし、アニメのスタッフの方々のご苦労を無にしてはいけないので。

 

エレンとアルミンの濃厚な友情(…BL?)という形になっていたけど、まあこれでいいんじゃないですかね。

にしても、エレンが「バカだから」地ならしをやってしまったというのが、なんとも。まぁ、身も蓋もない結論だけど。先生のエレンに対する自己投影の末の総括なのかしら? だとしたら、苦笑してしまいます。

 

リヴァイの立体機動がかっこよかったなと思っていたら、今井さんが戻っていらしたのね。さすがだなぁ。

にしても、アニメ制作って人海戦術でどうにかするには限度があって、結局こういう有能な人材が確保できるかどうかが質に直結しているんだよねぇ。でも有能な方は一握りで、スケジュールは抑えられているケースが多いし、有能な方はコネとかご自身の興味とかで作品参加を決められるからねぇ。(呪術廻戦の厳しい制作状況を聞くに、大変そうだなぁと心が痛いです)

 

2.大人としての私

上記の通り修正された結果、アニメとしては炎上を避けてうまく生き延びることができたと思います。でも、結果的に虐殺の是非を問い、仲間を守るために人類虐殺を行うことを否定しなかったという問題は残っていると思います。

責任ある大人として(もしくは若い学生たちを指導する教員の立場から)考えると、虐殺に関して、もっとはっきりと否定的なスタンスを出すべきだと思うし、マーレ編の構造自体が問題だらけだと思うので、そのあたりの問題点がぼやかされて、なんとなくイイ話風に終わってしまったのが歯がゆいです。

地ならし肯定派のイェーガー派の視聴者たちは、エレンが犠牲になったおかげでパラディ島は助かったのだから、とエレンの地ならしは必要悪だと虐殺を肯定しているからねぇ。こういう風に読者を誘導させていったマーレ編の構造そのものをずっと問題視してきたけど、その構造にはまったまま抜け出せない地ならし肯定派を未だに見かけるし。まあ、本誌連載時ほどではないけど。あの頃は本当にひどかった。ハンジさんの虐殺否定が散々バカにされていたからな…。あれは今でも許せない。

そうそう、エレンのセリフでハンジさんに言及があったのも微妙だ…。これは、エレンを擁護するためなのか、ハンジ推しを宥める(?)ためなのか、どっちなんだろう。エレンがハンジを見殺しにしたのは結果的にそうなっているんだから、擁護になってないと思うけど。ハンジ推しの怒りがエレンに向かないようにするため? まあ、ハンジ推しは、私も含めて、地ならし反対派が多いから、地ならし肯定派(イェーガー派)と犬猿の仲だしなぁ。

それにしても、なぜ人類の「8割」という数字なのか、という点に関して答えがありました。これでパラディ島と壁外人類の文明レベルが同じになるから(すぐに報復されてパラディ島が絶滅することはない)という。うーん、パラディ島のために人類8割虐殺か…。

生き残った104期のメンツが、地ならしの被害に対して何か言及していて欲しかった。もしくはリヴァイたちみたいに被害者のために働いているシーンとか、あればよかったんだけど。能天気な描写しかないから、無責任に見えるんだよ。(で、過激なエレン推しから怒りを向けられる結果に)

 

そういえば、エレンのせりふで「森はほとんど消滅して、死肉で肥えた虫が大地を埋め尽くす」というセリフがあったけど、これはなんでカットされたんだろう? ナウシカからインスパイアされたんだろうなと思って読んでいたんだけど。巨人の足跡が残る血の池から人の歯と毛を掬うのはなかなかエグイ演出だとは思うけど、これってエレンの心象風景であって、実際の地ならし後の光景じゃないんだよねぇ。この時、エレンがハンジさんのことを話していたから、その遺体さえ残らなかった最期を思うと辛いです。歯や髪がハンジさんのものだったのかもと思うと…。

エレンは、首が残ったうえに、ミカサに埋葬してもらって、お墓まで作ってもらって、みんながお参りに来てくれるなんて、人類虐殺者にしてはいい待遇じゃない。

結局、私は、エレンが丁寧に埋葬されて、みんながお墓参りに来てくれるのが今でも納得いってない。(地ならしの被害者はお墓どころか、遺体も残らなかったのにね)

でも、最初から、彼があの木の下で埋葬されるのは諌山先生の中で決まっていただろうから、ここは譲れない点だったんだろうなぁ。

 

3.ハンジ推しとしての私

最終回にハンジさんがいないのがひたすら寂しい。リヴァイがオニャンコポンとガビ&ファルコ、イェレナと行動を共にして、難民キャンプで働いたり、木を植えたりしているのは嬉しい。でも、ここにハンジさんがいれば、一番役に立ったと思う。リーダーシップ、人と人をつなげる力、技術者としての技術開発力、どれも残された世界に必要とされる力で、ハンジさんは兼ね備えていたのに。

ハンジさんがいなくて寂しい。

 

 

ダラダラと書いてしまいました。ここまで読んでくださってありがとうございます。

ずっと書きたかった進撃とナウシカについてのエントリーを今こそ書きたいなぁ。