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ぬるい懐古オタクがだらだらと語るだけ。

進撃の最終話を読んだ

今、学期末&締め切りですさまじく体力と気力を削られている中、進撃の最終話を読んで思いっきりモヤモヤしています。ある意味、最近追いかけはじめてよかったと思っているよ。長年追いかけていたら、相当メンタルにダメージくらっていただろうなぁ。

でも、よかった部分もあるし、もやもやして単行本で加筆修正してほしいと願うところもあるかな。以下、ネタバレありの思いっきり簡単な感想。

 

 

よかった点:

  • ミカサちゃんの片想いじゃなくて、ちゃんと両想いだったところ。

で、エレンが駄々っ子みたいに本音をアルミンにぶつけたところ。ミカサに一生自分だけを想っていてほしいとか、せめて10年だけは、とか、情けない男の本音爆発が(皮肉じゃなくて)本当によかった。それをミカサちゃんに言ってやれよと思うけど、アルミンに話すっていうところも、すごくほほえましい。

  • ジャン・コニー・ガビが巨人から人間に戻ったところ。(あと、他のエルディア人も)

104期のみんなが元に戻って、無事生き延びられてよかった、本当に。あと、マーレの戦士たちもみんな生き延びられて、家族にも会えたし。これ以上誰も死んでほしくなかったから、日和った終わり方かもしれないけど、これでよかったと本当に思うよ。ただ、これ単行本で読むと、138話で巨人になってから、すぐ戻るから、茶番に見えるような気がする。アニメだと5分くらい? あと1話つけて、140話で終わりにしたほうがよかったんじゃない? 色々雑に終わらせた感が強いので、あと1話あるだけで、大きく違うと思う。単行本で加筆があるといいのに。

 

  • リヴァイが泣いた

私も思わずもらい泣きしたよ。仲間をすべて失い、エルヴィンとハンジを鼓舞して死地に送ったリヴァイがやっとここで泣けたのが、なんとも言えない…。ハンジの哀しげで心配そうな表情が辛かったけど…。

最後にガビ&ファルコとオニャンコポンと一緒だったのが嬉しい。どこの街なんだろうか? マーレのどこか? リヴァイはもう十分戦ったから、これ以上戦ってほしくない。で、時々エルヴィンやハンジ、旧調査兵団の仲間のことを思い出してくれたら、それでいいよ。

 

  • 完結した!

何よりも一番よかったのは物語にこれで決着がついたこと。それなりにふわっとまとめてきたという感じですが、長期連載の果てにグダグダになって終わらせられない漫画が色々ある中、終わらせられたというのはもうそれだけで十分だと思う。(しかも10年以上の連載で、休載なしってすごいねぇ。)諌山先生、お疲れ様です!

 

よろしくなかった点:

ただ、一番失望したのが、

  • 虐殺を必要悪として肯定したように見えるところ

私が一番懸念していた点ですね…。パラディ島や仲間を救うために、エレンが地ならしを起こし、犠牲になったという点が強調されていて、地ならしで8割(!)の壁外人類が踏みつぶされて死んだという点に言及がない。地ならしでどれくらい死んだのか、今回で初めて明らかになったので、正直8割というのにびっくりした。8割なんてほぼ全滅じゃない? 

で、アルミンが「ありがとう、僕達のために殺戮者になってくれて、この過ちは絶対無駄にしないと誓う」ってエレンに云うんだけど、これって皮肉じゃないんだよねぇ?

冗談にも皮肉にも見えないけど、よりによってアルミンにこれを言わせたのにびっくりだよ。単行本で修正入ってくれないかな? イェーガー派のキャラ(例えば、死んじゃったけど、フロックとか)がいうならわかるんだけど、アルミンがこれを言うのはダメだと思うよ…。エレンに「人類を殺戮しようと思い詰めるくらいに僕達のことを大切に思ってくれてありがとう」ならわかるんだけど。動機は美しくても、無辜の人々を超大型巨人という無人兵器のようなもので大量虐殺するという手段と結果がダメだから、そもそもエレンを止めにきたんでしょう? エレンの悲恋と苦しみを悼むことと、人類虐殺を否定することは、矛盾するわけじゃないから、エレンの友情に感謝する言葉で十分じゃない? 彼の罪を友人として背負うのなら、なおさら、虐殺を人道に対する罪だと認識すべきだ。(でも、ここでそれをエレンに云うのは酷だと思うから、ただその純粋な友情に感謝するだけでいいんじゃない?)

他の104期も、同様。3年後のみんなが楽しそうなのはいいんだけど、彼らが「エレンにありがとう」だけじゃなくて、8割の人類が虐殺されたことを知って苦悩する描写が少しでもあれば、と思うよ。特に、138話で、巨人化する直前のジャンとコニーが人類を救おうとして調査兵になったことを誇りに思う描写があっただけに、これじゃあ、その決意が茶番みたいに見えるよ。空白の3年間でそのあたりの苦悩の描写があればよかったなぁ。あと、パラディ島の人だって、真相を知れば、苦悩する人もいると思うよ。サシャのお父さんとか。ピュレあたりもそうかも。あと1話あれば、そのあたりの機微を描けたと思うよ。(いや、これは、作者様が地ならしは必要悪でパラディ島の人々はみんなエレンに感謝すべきだと思っていなければ、の話だけど。)

 

まあ、個人的に思うんだけど、作者様は虐殺を描きたいという欲望をお持ちじゃないかなと…。フィクションだから、虐殺を描くこと自体は否定しないし、私もその手の漫画やアニメを散々見ているから、それ自体は舞台装置として描いていいと思うんだけど、それを必要悪として肯定されると、もやもやするし、人には勧められない。特に若い学生たちには。私は自分を研究者として認識していてあまりいい教育者だと思っていないけど、それでも若い子たちを指導する立場にあるから、若い読者たちへの影響を心配しています。

 

 

ほかにも、エレンの未来視と過去干渉能力がいまいちよくわからないので、もう少しクリアに説明してほしかったかな。些細な謎や伏線は放置してもいいけど、進撃の能力や始祖ユミルの能力と願い、あのムカデの正体などは、説明を省きすぎていて、よくわからないまま。もっと説明があるとよかったので、単行本で加筆されるといいなぁ。

 

冬から再開するアニメを見るのが辛いなぁ。