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ぬるい懐古オタクがだらだらと語るだけ。

ガンダムMAD「一年戦争史」

ガンダム再燃中ですが、ここ10年近くは積極的に新しいコンテンツを追いかけることもなくぼんやりと過ごしていたため、色々追いつきません。にしても、こんなに色々ガンダムコンテンツが拡大しているのは、あの「ガンダムエース」の所業ですかね。正直、玉石混淆だと思うので、功罪の両面ありというところでしょうか。

 

さすがにガンダムはファン層が厚いので、オンラインに色々ネタが転がっているのですが、youtubeにアップロードされていた、とあるMADに感動しました。今更ですが、ガンダムオタクの執念を見た気がします…。

 

「一年戦争史」とタイトルされたこのMADは非常によくできていて、アニメ本篇だけでなくゲームなどのムービー部分をうまく組み合わせて、NHKのドキュメンタリ―仕立てにしています。対談部分「宇宙世紀の歴史は動いた」は、2009年にNHKのBSで放送された「ガンダム宇宙世紀大全」というガンダム特集から持ってきているようですね。この特集すごーく見たいんだけど、ペイパービュー方式でオンライン視聴できるようにしてくれませんかね、NHKさん。あんな阿漕なやり口で受信料を徴収するよりも、よっぽど有意義だと思いますが…。

 

閑話休題。

 

私のお気に入り回はepisode15「一年戦争の亡霊」ですね。ハマーン様がたっぷり堪能できます。(でも、劇場版から大部分を引っ張っているので、榊原さんのお声がドスが効きすぎて、ちょっと…。お年のせいなのか演技のせいなのかわかりませんが)


一年戦争史 episode 15 「一年戦争の亡霊」

 

私的に一番の萌えポイントなのは、最後のハマーン様のモノローグです。

(10:55からです)

 

「ふっ、ジオンに兵なしとはよく言ったものだ。シャア・アズナブルか……。あの男さえいてくれたならな……。あのように……あのようなことにならねば、まだ手はいくらでもあったというのに、それほどまでに私が許せなかったというのか、あの男。……これも所詮愚痴か。私にはそのような過去を引きずっている時間はない。目の前の敵は退けなければならん。」

 

何よりも榊原良子さんの演技が素晴らしい!

いつの収録かわからないのですが(収録年を知りたいので、出典を必死で探している…)まだ少しお声がお若いのかしら?(追記:コメントで情報をいただきまして、1991年収録のようです。どうりでお声がまだお若いですね。)

 

とにかく、いつものキツイ口調ではなく、寂しさと儚さがとてもよく出ていて、胸が締め付けられます。ハマーン様の孤独で脆い少女のような内面がにじみ出ているんです。榊原さんの演技はさすがです。

 

いつもの強がりの中に後悔が見えるのって珍しいセリフですねぇ。

 

このセリフでは何を悔やんでいるのだろう?

1)ミネバを自分の駒に育て、それをシャアに非難されたこと。

2)恋愛関係がこじれてしまったこと。

(C.D.A.準拠なら、ナタリーを見殺しにしたこと?C.D.A.を公式化したくないけど)

 

ハマーンはグリプス戦役でシャアに再会した段階では、まだ彼との関係に一縷の希望があったと思うけど、決定的にダメになったのは、ミネバに関することだと思う。

ハマーンにしてみれば、自分にミネバとアクシズを押し付けて出て行ったくせにシャアが後から文句を言うのは彼の自分勝手だと思うのは当然。(私もそう思うよ!)

でも、女性に母性を求めるシャアからすれば、ミネバを自分の駒に育てているハマーンは母親失格だと思えるし、そんな母性のかけらもないハマーンと(男女の関係で)決裂するのは当然なんだろうけど…。この二人の関係は色々な要素が絡みすぎて、ハマーン様には気の毒だけど、本当に難しい。

そもそも本物のミネバを手元から失った時点で彼女の戦争は詰んだと思うけど…。それは、ハマーン様もわかっていただろうし、ZZの最後で死を選んだのは大儀なき戦争に疲れたんだろうな。

 

もし、シャアと恋愛関係に陥らず、単なるビジネスパートナーとならハマーン様とシャアはうまくいったんだろうか、と最近考えていますが、うーん、どうだろう?

シャアがNT少女に手を出さないとは考えにくいけど、仮にビジネスパートナーとして割り切ってやっていくとなると、キシリアとのような感じになるのかな…。ハマーン様が中年になるまで生きていれば、キシリア閣下みたいな感じになっただろうとは容易に想像できるけど。

シャアとハマーン様って本当に殺伐したカップルだのう。(漫画版ナウシカのナムリスとクシャナ殿下夫婦みたいだ…)

 

で、このモノローグの出典を探しているのですが、どうしても見つかりません。ゲームだと思うので、ガンダムゲームやスパロボ関係のプレイ動画を見まくっているのですが、見つからない…。ゲームは自分でプレイしないし(する時間もないので)、悔しいなぁ。どんなコンテクストでこのモノローグが語られたのか、すごく知りたい。

(追記:コメントで情報をいただきました。1991年のサウンドCD「Gundam Oddysey」とのことです。)

映像の出典はわかるんですけど。

下の映像は、プレイステーション版Zガンダムのムービーらしいですね。

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ハマーン様が北爪氏の「C.D.A. 若き彗星の肖像」に準拠していない(ゲームはそれよりも前に出たのかな?)のが好印象です。ピンクの女の子らしいワンピースと仕草がかわいいなぁ。

 

後半部分の映像は新約(劇場版)Zガンダムのエピローグ部分ですね。私はこの劇場版が好きではないのですが、唯一気に入ったのはエピローグ部分です。(富野監督の劇場版はどうしてテレビ版に比べると劣化するんですかねぇ。初代三部作の出来がいいだけに、∀といいZといい、不満が残ります。)

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部下に指示を出すハマーン様の姿が好き。部下の男たちに比べて華奢で背が少し低いところ(しかも軍艦なのに私服)が、萌えポイントです。

 

 

榊原良子さんって、強い大人の女を演じたら右に出る人はいないと思うのですが、その真骨頂は、その強い女がふと見せる脆い内面を演じられるところだと思います。

アニメ本編でハマーン様の内面が充分に描かれなかったにもかかわらず、弱さを抱えた鉄の女という印象が強いのは榊原さんの演技のおかげですかね。

 

劇パト2の南雲隊長はまさしく榊原さんあってのあの内容だと思います。(押井監督は榊原さんが大好きなので、むしろ榊原キャラに合わせてあのしのぶさんをP2で造形したのではないかと個人的には疑っています)

 

惜しむらくは、漫画版のクシャナ殿下を榊原さんのお声で聞けなかったということ。あの少女時代のエピソードを榊原さんのモノローグで聞けたら、思い残すことはないんだけど。

 

 

 

 (11/23/2018 追記:上記のモノローグの出典である「Gundam Odyssey」(1991年)を聴いたので、以下にエントリーを書いています。)

 

banana-snow.hatenablog.com