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ぬるい懐古オタクがだらだらと語るだけ。

アニメ「バナナフィッシュ」18話&19話

そういえば、ここ最近のバナナフィッシュでは、エンディングの音楽とスタッフロールを本編に重ねて足りない尺を補い始めましたねぇ…。前期ではいわゆるシティハンター方式で、本編が終わる前にエンディングソングをかけ始めていたのですが、今はエンディング映像すらなし。もういっそのこと、(演技が聞き取れないから)エンディング音楽なしでいいんじゃない? スタッフロールは必要ですけど、どうにかならないのかな。

 

以下雑感。

  • マックスとブランカ

第18話、英二を救うためにアッシュがマックスを脅してバナナフィッシュの資料を全て引き渡すように要求するシーンがこのエンディング部分に押し込まれたのがすごく残念でした。アッシュが何も言わなくても、マックスは英二が危険にさらされていることを理解して、心血を注いだ資料を引き渡し、アッシュに「行け。行って、お前の大切な友達を救え」というシーンがすごく好きなのよ。マックスはアッシュのよき理解者であり、大人としてアッシュと信頼関係を築いているんですよね。アッシュも英二やほかの仲間には言えないことや頼めないこともマックスには頼めることがある。アッシュは過去の件から大人を信用していないけど、マックスは数少ない信頼できる大人なんだよな。

ブランカが登場してから、また、バナナフィッシュを巡るミステリーがプロットの主流から外れつつある今、マックスの存在感が少し薄くなっているのは寂しいですねぇ。あと、アニメの制作側は、英二とアッシュの絆に焦点を絞って、他を切り捨てるという策を取って(尺がないから仕方ないんだけど)その結果、アッシュとマックスの絆は削られてしまったという感じですかね。ちなみに、月龍がアッシュにドースン博士とバナナフィッシュの資料を引き渡せと要求するシーンで、月龍の「君は何もかも失うんだ。探し求めた真実も、兄の復讐も、仲間の信頼も」というセリフがあったんだけど、これ原作では「マックス・ロボの信頼も」だったと思うんだけど…。(原作が手元にないので違っていたらすみません)

 

マックスとブランカは二人ともアッシュの理解者である大人の男性なんだけど、とても対照的。ブランカはあくまでも裏社会(マフィアの世界)の論理で、アッシュを手助けしようとするんだけど、マックスはあくまでも表社会の立場のままで(でもジャーナリストだし、戦場に出てたこともあるから、ダークな世界も理解はできる)、アッシュを理解し、助けようとしているのが大きな違いですかね。アッシュに本当に必要なのはマックスのような大人だと思う。連載当時は、ブランカが好きだったんだけど、責任ある大人のすることじゃないと最近は思うな…。月龍に対しても、彼なりに同情しているんだろうけど、救えないのなら、最初から関わるべきじゃなかったと思う。救ってくれる人を求めている月龍に期待だけさせておいて可哀そうと思うのは、まあ私が月龍贔屓だからなんだけど。

 

  • 月龍

 陰険で捻くれた性格を発揮してくれています。福山さん、いやーんな演技していますねえ。(もちろん、褒めています)

第19話では、月龍の数少ないギャグシ-ンが…。このアニメスタッフならやるだろうと思っていたんですが(苦笑)、やっぱり入れてきましたねぇ。これ、変なキラキラ効果音とか涙の線とか入れなくても十分ギャグシーンになるから、入れなかった方がいいと思うよ…。このアニメのギャグシーンに関するセンスがいまいち合わないな。あと、月龍を女の子扱いはちょっとねぇ。もちろん、月龍は、少女漫画でいうヒロイン(英二)のライバルポジの女の子というのはわかるんだけど、過剰な女の子扱いはちょっと…。ブランカが跪いて月龍の手にキスするなんてやりすぎだよ!(でも、「こんな手段を使ってごめんなさい」と謝る月龍の素直な様子は可愛い!)

 

あと、英二が訪ねてきた時、私室で着ていたノースリーブも可愛すぎです。あんな女の子っぽい服を着せちゃだめだよ~。

月龍と英二の口論シーンは、英二の「バカ!」がちょっとパワー不足だなぁ。シンの「あんたの負け!」があんまり説得力がない…。

 

月龍がブランカに懐くのは、彼も庇護されたいんだよね。彼は庇護されるべき子ども時代に守られることがなかったからねぇ。英二に理不尽な怒りをぶつけているのも、無力な彼がアッシュに一方的に庇護されていると(月龍には)見えているからかな。アッシュに庇護されている英二のように、ブランカに庇護されたいんだよね。

でも、月龍がわかっていないのは、無力に見える英二もアッシュを守ろうとしているんだよね。彼の傷ついた心を。

ただ、アッシュが英二という唯一無二の理解者を得たということ自体は月龍もわかっているし、その事実はますます月龍を傷つけて、自らの孤独を思い知らされることになるんだよな。可哀そうな月龍…。

 

  • 時代背景

時代背景を現代に直す必要があったのかなとつくづく思います。おかげで色々ちぐはぐな部分が。18話で、新聞を読むシーンがありましたが、今時のアメリカで紙の新聞を読んでいる人はよっぽどのお年寄りくらいかと。あのシーンカットしてよかったと思う。アッシュと「お兄ちゃん」の「セサミストリートでお勉強してね」な、やり取りを 再現するためだったんだろうけど、ここをカットすれば、最後のマックスとのシーンをエンディングロールに入れずにすんだよね。

あと、架空の国家「カフガニスタン」とか反政府組織「マリバン」(勿論、アフガニスタンとタリバンのもじり)を混ぜるのはすごく中途半端で気持ちが悪いです。当時の設定でもよかったと思うよ。どちらにしても、「バナナフィッシュ」の政治的なプロットは、あくまでも舞台装置に過ぎないと思うから。それに、連載当時ならともかく、今時、親米政権を中東に作って云々というプロットに説得力はない。

 

ということで、アニメ「バナナフィッシュ」もあと6話くらい? どうプロットを畳むのか、楽しみです。

 

 

 

アニメ「バナナフィッシュ」16話&17話

アニメ版「バナナフィッシュ」16話と17話の感想をざくっと。仕事がたてこんでいて、なかなか詳しい感想を書く時間がとれない(涙)。

 

  • 16話

今回はテンポがよくて、今までの中で一番違和感の少ない回だったような気がします。好きなセリフ(マックスがアッシュに再会して「まどもだ」と驚くセリフとか)がいくつか削られていてちょっと残念ですが、尺を考えればやむを得ないかと。

あと、このアニメ版は原作に忠実なあまり、漫画的な表現のギャグ(呆れた感情を示すために、汗が大きく描かれる、など)をそのまま使っているのすが、これはシリアス展開とかなりギャップが出て興ざめするので、もう少しなんとかならなかったのかねぇ。

アニメという媒体が可能にするギャグ展開(例えば、前回のキャンディバーダンスとか)はちゃんと機能しているので、アニメ(音と動きがつく)ならではのギャグ表現を工夫してくれればいいんだけど、まあ無理なお願いだよね。

ギャグシーンが下手なのはわかったので、もういっそのことカットでいいよ。

アクションシーンはアッシュのありえなさっぷりを改めて認識。未来少年コナンみたいだね。(たとえが古くてすみません)ドースン博士が大人しくて可愛いと不覚にも萌えた。ジジイ好きなのだな。

 

  • 17話

えーと、アニメ版のバナナフィッシュは月龍に萌えるために見ることに決めました。

CV福山さんの演技はいいのう。すごくはまり役だわ。ゴルツィネとの会話は相変わらず間がないけど、まあOKかな。石塚さんのお声が迫力がなくて悲しいです。病をおして収録されていたのでしょうか・・・。そう考えると、何も言えなくなる・・・。お亡くなりになられたのが、本当に残念です。つい最近、ようやくガンダム00を見始めて、CV石塚さんの中佐がとても素晴らしくて惚れたので、ますますご逝去が悲しく思えます。

月龍が王龍とやりあって殺すシーンはいい感じで間があったので、福山さんの演技を堪能できて満足。

月龍のシーンはいつも気合が入っていると思うのですが、アニメ版スタッフに月龍ファンがいると確信しています!

そうそうこの回の予告はめっちゃ笑いました。英二と月龍って本編では相性最悪だけど、予告はそれを逆手にとって、なかなか笑わせてくれます。福山さんも気合入っているね。そういえば、以前の予告でも月龍ちゃんはシンに話を聞いてもらえなかったけど、そういうキャラでいくのかね。

もうへたくそなギャグを本編に入れるのはやめて、予告に全部ぶっこめばいいんじゃない? それで充分面白いと思うんだけど。

 

あと、とうとうブランカ登場しましたね。CV森川さんはまっているねぇ。月龍との会話が今から楽しみ。ちなみに、シンが月龍の隠れ家を訪れた時、背の高いブランカに背後に立たれて「日当たりが悪くなる」と怒るシーンはあるのかしら? 月龍とブランカとシンの三人の会話が好きなんだ。月龍がシンとブランカには年相応な様子を見せるのがすごくかわいいと思う。

 

目下の関心はどうやって話をたたむんだろうかということのみですかね。

 

 

 

アニメ「バナナフィッシュ」15話

アニメ版「バナナフィッシュ」第15話を見ました。

今、仕事がめちゃくちゃ忙しくて時間がないので、以下箇条書きで雑感。(月龍ばっかですみません)

 

1)月龍の花柄セーターは何あれ?ちょっと・・・服の趣味が悪いという設定なの?それともスールーが若様のために買ってきたとか?普通のシンプルなタートルネックセーターでいいのに。そんなに視聴者を笑わせたいの!?

2)月龍のお屋敷の電話はなぜあんなにレトロなの?わざとなんだよね・・・。現代設定というのを忘れたわけではなく、ノスタルジック香港という設定なの?

3)前から思っていたんだけど、月龍の部下はなぜみんな中華服?これもノスタルジック香港設定?私の脳内では、月龍の部下は表向き高級中華レストランのウェイターという肩書なので、みんな中華服を制服として着ているということにしました。(実際、あんな中華服をアメリカで日常着ているのは高級中華の店員くらいしか思いつかないよ)

4)月龍がとうとう中国語(普通話)を話した!香港なら広東語じゃないの?と思ったけど、部下は大陸出身者もいるから標準語を使っていると脳内解釈。CV福山さん頑張ったのね。「不用坦心。我有想法。」と言っているのかね。たどたどしいのが、香港人っぽいとこれも脳内解釈。(ちなみに私の中国語もかなーり怪しいので、中国に行くと、よく香港人と間違われます。)

5)月龍を人質にとって英二が逃亡し、対峙する、でシンも登場してという流れはほぼ原作通りですな。CV福山さんの演技はいいですね。英二と月龍のシーンは劇伴の音量を下げて欲しかった。(前から言っているけどさ・・・)

6)お願いだから、「間」を入れてくれ。

英二が立ち去ったあと、シンが「なんで行かせたんだ?」というセリフの前に一呼吸欲しかった。で、そのあと月龍が速攻で「一人にしといてくれないか」っていうんだけど、ここにも間が欲しかったよ。その後シンがたたみかけるように「さっき、本気であいつに撃てって」と続くんだけど、ここも一呼吸の間が欲しかった。

シンと月龍の会話が好きなんだけど、間がないから、ただお互いに畳みかけるようなセリフの応酬になっていて、2人の会話の繊細さが消えちゃっているよ・・・。

7)尺がないんだから、アッシュの「キャンディバー」シーンをフルでやる必要ないでしょ?あのシーンを入れたい気持ちはわかるんだけど、全部する必要はなかったと思う。その分、会話に余裕を持たせてよ。(シンと月龍だけに限らず、マックスなど他のキャラも含めてさ)じゃないと、単なる原作のダイジェスト感が増す一方だよ。

 

このアニメ版は原作を未読の方や原作を一回くらいしか読んだことがないという視聴者が話の筋書きを追うにはいいと思うんだけど、原作ファンは話の筋書きわかっているからね・・・。あらすじだけのアニメじゃなくて、それ以上を求めてしまうんだよね。

 

あと残りは10話くらい?どうやって最後までたどり着くんだろうか・・・。

 

 

 

 

アニメ「バナナフィッシュ」14話

アニメ版「バナナフィッシュ」第14話見ました。以下雑感。

 

  • オープニングとエンディングが変わった!

オープニング曲はちょっとよくなったかな。(とはいえそれほど好みではないなぁ)

一瞬ですがブランカが出ていた!ブランカは楽しみだ。月龍とアッシュに絡む時間はどれくらい残されているんだろうか。

あの変態な大佐はオープニングに出ていないから、出てこないのかなぁ。どう考えても彼に割く時間足りないよ。

空を見上げるシンの表情が切なくてやりきれないな。彼は愛されキャラだけど、最後の最後で一番重荷を背負わされてしまったよね。主要人物で一番若いのに・・・。

エンディング曲は、前期の曲がすごく気に入っていたから変わっちゃって残念。前期は話が終わる前にエンディング曲が流れだす、いわゆるシティハンター式のエンディングだったんだけど、これやめちゃったのね。ま、別にいいんだけど。前期の曲の印象的なイントロにはあのやり方があっていたと思うけど、後期の曲はあまり好みじゃないから、かぶっていなくてむしろ有難いかも。

 

  • 相変わらず詰め込みすぎ

今回一番顕著だったのが、冒頭の伊部さんとマックスが空港で英二を待っているシーンの伊部さんのセリフ。視聴者の視点から見てもセリフ詰め込みすぎで、早口になってしまっています。余韻とか感情を込める「間」が全然ない。詰め詰めセリフでも演技できるのがプロなのかもしれないけど、正直、CVの方に同情するよ。原作のセリフの良いところをかいつまむのが、脚本の腕の見せ所じゃないのかねぇ。

私は、正直、このシーンをカットしてもよかったと思うなぁ。伊部さんの迷う気持ちは今までにも結構吐露されているしね・・・。

この伊部セリフをキープするなら、あのナースのお姉さん方のシーンは予告編に回すべきだったと思う。それで結構時間が取れるでしょ。ギャグシーンは知能テストの部分で十分だったかと。結局、尿瓶を出したかったという下世話な動機としか思えんよね。視聴者サービスをした結果、他の重要な箇所が詰め詰めになってしまったら、本末転倒でしょ。

 

13話の感想でも言ったんですけど、私は吉田秋生先生の作品の何が好きかというと、会話の巧みさと繊細さ。バナナフィッシュは特に神がかっていると思う。だから、アニメ版の監督や脚本の方が、原作の素晴らしいセリフをそのまま再現したいという思いはよくわかるんだけど・・・。尺がないのは変えようがない事実なんだから、取捨選択して、「間」を大切にしてほしい。それが演出でしょ。そして、その部分にアニメ版スタッフの意地とセンスを見せてほしいなぁ。

 

  • 音楽の使い方が致命的に下手

まず、月龍が留置所に放り込まれたシンを迎えに登場したシーンの音楽は何事? チャラララーンとかいうキラキラした音は私を笑わせにきているの?

あと、前から何度も言っているけど、劇伴の使い方が下手だよね。月龍と英二の会話シーンだけど、せっかくの月龍の長セリフがうるさい劇伴のせいで聞き取りにくい。CV福山さんの演技を堪能したいのに! 劇伴の音量下げてくれ、頼むから。

 

まあ、文句はこれくらにしておこう。いつも口うるさくてすみません。バナナフィッシュと少女時代を過ごしたBBAとしては、原作厨と思われようが、言わずにはいられないんです。

 

さて、月龍が徐々に話の中心に絡んできて、楽しみだ。シンの表情がころころ変わるのも、ちゃんと描かれていて、よかったです。アニメスタッフの方で、月龍とシンのファンがいらっしゃるのかな。結構、ちゃんとした扱いで、月龍ファンの私はちょっとうれしい。吉田先生は月龍がとてもお嫌いだそうで、原作者に嫌われていたのはちょっと悲しかったんですけど、今のところ、アニメ版の月龍にはスタッフの方の愛情を感じるな。月龍の作画はあまり崩れないし、衣装は豊富だしね。でも、月龍は日頃はスーツ姿でいいよ。あの年でループタイというのはオヤジくさいけど、原作通りなの? (原作が手元にないので確認できなんだけど)

ところで、華龍がよだれを垂らしていたのは原作になかった気がするけど。

これから月龍がどんどんダークになっていくから、ドキドキする。ダークヒロイン・ヒーロー好きなので、わくわくしてるよ。福山さんの演技も楽しみだし、シンとの絡みがどこまでアニメ版で再現されるのかも楽しみ。もうこの際だから、原作以上に二人の絆を描いてくれていいのよ。

 

 

 

アニメ「バナナフィッシュ」13話

アニメ「バナナフィッシュ」は一週間お休みでした。2クール目でオープニング曲とエンディング曲が変わるかと思っていたのですが、変わりませんでしたね。エンディング曲はかなり好きなので個人的にはこのままでもいいんですが、オープニング曲は変更を希望。

 

第13話はオーサーとの決闘シーン。

原作を読んでいた時、オーサーは好きでも嫌いでもなかったのですが、アニメ版ではなぜか私的に好感度がアップしています。なんでだろうと脳みそを絞って考えてみると、おそらくCVの細谷さんの演技がオーサーの格好良さをアップさせているような気がします。細谷さんの演技は存在感があって、オーサーの小物感が割と消えちゃった感じ。でも、こういう想定外の効果は音がつくアニメならではなので、いいと思います。

 勿論、音以外にも動きがつくのがアニメ化の一番楽しみなところなのですが、残念ながらアクションシーンがイマイチなんですよね、このアニメ版。動きがすごく平坦で、もっさりしている・・・。最初っからそうなんですけど、今回もオーサーとアッシュの決闘というアクションシーンが盛り上がる回なのに、全然動かない・・・。もう少しダイナミックに動かして欲しかったな。

まさか原作に倣って動いてません!なんていうことじゃないよね。

単に予算がない(=手数を掛けられない)のか、見せ方の工夫がない(=技術がない)のか、どっちかだと思うんだけど。私は寡聞にして最近のアニメを殆ど知らないので、このアニメの監督さんがどのような作品を手掛けていらしたのかわからないので何とも言えないんですが。

今まで散々、緩急がなくてダイジェスト感がひどいと言ってきましたが、このアクションシーンの動かなさも、平坦な印象に拍車を掛けていると思います。

勿論、吉田秋生先生も正直アクションシーンはお上手じゃないんですが、バナナフィッシュの肝はそこにあるんじゃなくて、会話の巧みさと繊細な心理描写を楽しむものだと思っているので、アクションシーンが拙くても私的には没問題!でも、アニメでそれはダメでしょう・・・。

 ちなみに、バナナフィッシュをめぐるハードボイルドな展開も私的にはあくまでも舞台装置だと思っています。吉田先生は本当に会話の機微がすごく上手くて、バナナフィッシュはハードな展開と繊細な人物描写が奇跡的にうまくかみ合った作品だと。

会話の巧みさといえば、「河よりも長くゆるやかに」は吉田先生の作品の中でも一番会話を楽しめる漫画だと思うので、ここでお薦めしておこう。

 

河よりも長くゆるやかに (小学館文庫)

河よりも長くゆるやかに (小学館文庫)

 

 

 

アニメ版の文句ばかり言っていて申し訳ない。

勿論、いいところもあるよ。この回でヘミングウェイの「キリマンジャロの雪」をめぐるアッシュと英二の会話を入れてきたのはグッドジョブ!省略されなくてよかった。

 

あとワンクールしかないんですが、どこまでやるんだろうか・・・。大幅カットは覚悟していますが。

 

 

アニメ「バナナフィッシュ」12話

バナナフィッシュの12話を見ました。以下ざくっと雑感。(ネタバレ注意です)

 

 

 

ダイジェスト感は相変わらずですが、これはもう諦めるべきことかと。そもそもあの原作を2クールでやってしまおうというのが無茶な話なので。

勿論やりようによってはいくらでも改善する余地はあると思えるのが、残念なところです。中の人たちの演技や演出手法は以前のポストで言及しましたが、劇伴音楽も問題ですね。音楽で物語に緩急をつけることもできるのですが、いかんせんその音楽がいまいち・・・。(作曲の方すみません)ただ、音楽を生かすのも演出次第ですよね。ということでやっぱり演出が残念すぎる。それぞれのパーツが微妙な出来で、微妙なものが合算されてもプラスにはならずに微妙な全体になってしまうという例ですかね。

 

ケインが唐突に出てきてびっくり。省略されなくてよかったと思うべきかな。

 

アッシュと英二の喧嘩&仲直りは割と原作通りかな。ちゃんとNY市立図書館が出てきてよかった!ちなみに私がNYに着いて真っ先に行ったところはNY市立図書館(次が自然史博物館)。BFファンにとってはモニュメンタルな場所なので、ちゃんと出てきてよかったです。

納豆とアジの開きをアッシュが嫌そーな顔で食べるシーンは省略もできたんでしょうけど、原作ファンには人気のシーンだと思うので、入れたんですかね。予告編に回してもよかったと思うんですが。(アッシュがアジを頭からバリバリ食べていて、英二が内心「まっ、ヤマネコだからいいか」と納得するのが好きでしたが、さすがに削られました。)

 

冒頭の月龍とシンのシーンは、削られなくてよかった~とほっとしています。若様とシンの気安い会話は、月龍がシンに段々心を許していくようで好きなんです。ところで、シンの声は正直判断に困っています。棒読みっぽいなあと思うときもあれば、子供っぽくていいんじゃないかな、と思うときもあるし。うーん・・・。

ところで、今回の月龍の衣装は何? ワンピース? 彼は女装しているわけではないと思うので、あんまり女っぽい恰好をさせてほしくないな。原作では、ゴルツィネ邸で旗袍(満州族の衣装)を着ていたけど、それ以外は普通にシャツとズボンという恰好だったと思うんだけど。今時の日本人で(特に男性)和服を着て生活している人がいないのと同じで(せいぜい作務衣だろうけど、それもめったにいないよね)、香港人だろうがチャイニーズアメリカンだろうが、中華服(?)を着て生活している人はいないよ。家具や家の飾りつけをオリエンタルにしている人はよくいるけど。

民族的ステレオタイプは今アメリカで批判の的なので、こういうのは危ういなあと思います。

でも、その一方で、謎中華衣装が月龍のアヤシイ魅力を引き立てているんで、困ったものです。11話で着ていたフリルが襟元についた紫と黄色の中華服は満州族衣装のアレンジっぽいんですが、もしかして清の八旗の末裔とかそういう裏設定があるんですかね。いや、美しいからいいんですけど。萌え万歳!で容認したくなるのがオタクの困ったところです・・・。

 

 

 

 

 

アニメ「バナナフィッシュ」11話

木曜日の夜に仕事を終えてバナナフィッシュを見るのがここ最近の一番の楽しみです。

で、11話見ました!(以下ネタバレです。原作のネタばれもありですので、未読の方はご注意くださいませ)

 

 

アッシュの寝起きの悪いところと、ハロウィーンかぼちゃ怖いエピソード、そして夜に悪夢にうなされて泣くアッシュに寄り添う英二との会話が今回のメインポイント。思っていたよりもがっつり再現されていましたね。省略されていたところも結構あったんですが、まあしょうがないかな、と。

でも、あの笑いあり、感動ありの、名シーンがイマイチ乗り切れなかったんですよね。がっかりしてしまいました。

どうしても駆け足のダイジェスト感がぬぐえないんです。アッシュと英二の積み重ねてきたものが駆け足で語られてきた(今まで)、そして、二人のシーンも「間」がないので、すごく駆け足。ざーっとストーリーだけを追いかけているって感じ。

ただこれって「尺がないから」だけで片付けられる問題なのかなぁと考え始めました。勿論シーンに余韻がないのは尺がないからというのが一番大きいんだけど、ギャグシーンもシリアスな泣きシーンもすべて同じように平坦な調子なんですよね。この緩急のなさがダイジェスト感に拍車をかけていると思います。これは演出の問題じゃないかね。

あと、すごく言いにくいんだけど、アッシュと英二の担当声優の方たちの演技力の問題でもあると思います。シリアスなシーンはまあまだマシなんですけど、正直ギャグシーンが全くギャグになっていない。シリアスな会話と同じような調子で演じているので、緩急がなく、平坦な印象を逃れられないよ。

ギャグシーンに関しては、マックス役の平田さんはさすがにお上手なので、アッシュとのやり取りはうまく流れていたと思います。(むしろマックスとのギャグ会話を見ていて、上記の問題に気づいたって感じですが)

これからどんどん省略される部分が増えると思うので、演出含めて中の方たちの奮闘を期待しています。

 

ところで、マックスとアッシュの親子ごっこがかなーり省略されていてすごく悲しい。アッシュにとっては英二と違った意味でマックスとは信頼関係で結ばれていて、アッシュが、英二には言えないこと、見せられないことも、マックスには言えるのがすごく好きでした。もともと、若い少年少女を見守るおっさんキャラが大好きだっていうのもありますが。気が強くて美人なジェシカとの関係も好き。(マックスの尻のひかれっぷりが微笑ましいのだ)そういえば、ジェシカのレイプシーンはアニメではぼやかされていましたね・・・。さらっと流されていますけど、こういうのは辛いなぁ。マックスはこれで負い目ができたのかなと思うとそれも辛い。

にしても、下水道でのマックスとジェシカのバカップルぷりは出てくるのかしら。確かケインに呆れられていたよね。

 

後半どれくらい削られるのかなぁ。シンと月龍のシーンが減らないことを祈願しておこう・・・。