ああ、全世界が引きこもりに……。
引きこもり体質の私ですが、さすがにこの事態は勘弁してほしい。
うちで好きなお菓子をかじりながらひたすらアニメを見るとかガンプラを組むとかそういうお気楽な引きこもりがいいのに。これは洒落にならない。
で、私の夢の引きこもり生活は破綻を迎えまして、学校は閉鎖、授業はすべてオンラインに移行しました。あーあ。わずかな準備期間のみでなんとかオンライン授業を組み立てています。
まあ私だけではなくて全米の教員はみんなパニックに陥っていまして、阿鼻叫喚の様子。ここ2週間ほどFacebookやブログではオンライン授業の話題ばかり。70歳過ぎたような大ベテラン先生から若い大学院生のTAまでみんな等しく巻き込まれて右往左往しているので、妙な連帯感が生まれているのが可笑しいです。
実際のところ、オンラインに向いている科目と向いていない科目があるんです。あとEdtech会社がオンライン教材を開発しているような科目(だいたいどこの大学にもあって、大規模な履修者が見込まれるような科目=利益が見込める)ならいいんですけどね。
私の専門はニッチなので教材は自分でそろえて作っています。オンライン教科書なんて夢のまた夢。今学期教えているもう一つの科目は、教科書はあるんですが、科目自体がオンライン授業にあまり向いていないので、苦戦中。
とりあえず講義をZoomで撮影して、Learning Management System(うちはCanvasというのを使っています)にアップロードする。で、Zoom上でフリップ授業をしてなんとかしのいでいます。でも、私の所属先は州立大学で低所得の学生が多く、パソコンを持っていないとか家にwifiがないという子が多いんです。田舎で携帯の接続状態が悪いという子も多い。なので、講義のビデオは10分単位のコマ切れにするとか、Zoomで接続が悪い子は他にフォローアップをするとか色々工夫を凝らさなければならなくて大変です。
都会で裕福な学校の学生たちが相手ならこんな苦労はしなくていいのでしょうが、この国の貧富の差を思い知らされています。そして貧富の格差がこうして学問の機会格差に直結するんですよね。私はこの田舎で低所得な家庭出身の学生たちにも都会の裕福な大学で学ぶ学生たちと同じように学問の最先端を教えたいという使命を持ってこの所属先に移ってきたのですが、現実は厳しいです。
実際のところ、この非常事態では勉強どころじゃないというのもわかります。お店がことごとく閉まっているので、多くの学生がアルバイト先を失っているでしょうし。私の住んでいるエリアではまだ外出禁止令は出ていないのですが、集会は禁止され、レストランは10人以上のお客を中に入れてはいけないということに。でもこれって事実上の閉店みたいなものじゃない? テイクアウトはOKだけどその売り上げなんてたかが知れているし。ショッピングモールも続々閉まっているし。
で、パニックの買い占めがすごいことになっています。先週なんてパスタ、卵、ミルクなどなど全部地元のスーパーで売り切れていました。そしてこの2週間ほど全く手に入らないのが、トイレットペーパー!
別の州の友達もみんな同じことを言っていたので、トイレットペーパー買い占めは全米で起こっているようです。日本でもトイレットペーパーが買い占められていたそうですが、洋の東西を問わず、人間の原初的な衝動なんですかねぇ。
で、ある友人が「トイレットペーパーを使う量を減らそうと思っている」と言っていたんですが、思わず爆笑してしまいました。
だってさ、劇場版パトレイバー2のシゲさんじゃあるまいし!
シバシゲオ「今日からトイレットペーパーも1回15センチまでだぁ!」
名セリフですな。
まさしく非常事態宣言下にある日常ですよね。まあ、うちは田舎なので、P2にあるような都会の中にある戦時中という雰囲気は味わえませんが。
そうそう、地元のガールスカウトが手作りマスクを作って病院などに寄付する活動をしていまして、型紙をFBで配布して女性陣がせっせとマスクを縫っています。あーあ、どんな戦時中だよ、と思わずうんざりしていまいました。
とりあえず、この事態をパト2ごっこだと思えば少しは非常事態を楽しめるかも!などと思いつつ。
でも、パト2を見るとねぇ、やっぱりしのぶさんが辛いんだよね。美人で凛々しいんだけど、痛々しい。後藤隊長は待っているなどと弱気なことを言わずに、さっさとしのぶさんをさらって駆け落ちでもなんでもすればいいのよ。はあ、パト2を見るのは好きなんだけどやっぱり辛い。なのでサントラを聴くだけにとどめておきます。