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ぬるいオタクのひとりごと。だらだら、まったり、マイペース。

純愛のジレンマ 2

純愛のジレンマといえば、大好きな萩尾望都先生の『マージナル』という漫画に、メイヤードとナースタースという悲恋カップルがいます。メイヤードは男ばかりしか生まれない地球の監督官としてカンパニーという地球外にある組織から派遣されますが、彼にはナースタースという強気で美人の幼馴染がいまして・・・。

 

 

(以下ネタバレ)

 

 

とにかくこの二人のすれ違いっぷりが悲しいです。メイヤードはナースタースに思いを告げずに死ぬんですが、死ぬ間際にナースタースの名前を呟くんです。ナースタースは彼が最期に自分の名を呼んでいたと聞かされて、初めて自分が愛されていたことを知るわけです。でも、生前彼はナースタースを拒絶していて、泣いてすがるナースタースに対して「愛のほかはすべてあげる」と告げたという過去が・・・。

メイヤードはナースタースのためになんでもするけど、愛だけはあげられないと言ったのは深い理由があります。彼は不治の病を患っていて、治療のために体が女性化しているんです。そんな自身の肉体を彼は不毛だと呪っていて、この体ではナースタースを愛せない、と。

その理由を明かさずにただ彼女を拒絶したのはプライドの高いメイヤードらしいと思うんですけど・・・。

(詳しくは同作品をぜひ読んでください。名作です。)

とにかくもうすごく好きなカップルで、二次小説を書こうかと思っていたくらい。

 

で、NHK制作のラジオドラマ『マージナル』(1988年)が非常に興味深い改変をしています。

 

このラジオドラマでは、ナースタースが地球に視察に来ているというオリジナル設定をつけて、さらに、メイヤードが死ぬ直前に体のことをナースタースに直接打ち明け、二人が互いの気持を確かめあうという超展開が!

メイヤードとナースタースが少しでも救われてほしいという気持ちからこの改変になったのだと思います。その気持ちはわかるんだけど、やっぱりこの展開はちょっと違うんじゃない?と思ってしまいます。あの悲恋の中にある、わずかな希望がよかったのに。

 

ということで、悲恋のカップルに救いをもたせようと改変したら、イマイチになってしまったという好例のような気がします。

 

でも、このラジオドラマは最後の改変はともかくとして、原作ファンには興味深い内容です。

メイヤードが故塩沢兼人さんというのがピッタリで素晴らしかったです。大好きな声優さんでしたが、早くにお亡くなりになられたのが悲しいです。

最期に、音楽がなんとあの細野晴臣さん!

 

『マージナル』は萩尾先生の他作品に比べてあまり言及されることが少ないようですが、もっと注目されるべき作品だと思います。マザーの設定とかユニークですし、実写化されてもいいんじゃない?とすら思います。(でも、その前に英訳版を出してほしい・・・)