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ぬるい懐古オタクがだらだらと語るだけ。

新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」雑感1

新作歌舞伎「風の谷のナウシカ」について。

当日券を手に入れることができて幸運でした。結局、12月17日(昼と夜の部を通しで)、12月18日(夜の部のみ)12月19日(昼の部のみ)というスケジュールで通い詰めることになりました。

スケジュール変更にかかった費用やチケット代など出費は痛いですが、「今使わずにいつ使うのだ?」と映画版の殿下が仰っていた通り、この機会にお金を使わずしていつ使うんだ?ということです。まあ、実際、こういう機会のために毎日頑張ってお仕事しているようなものなので。大人の財力(本当は薄給ですけど)は社会人の特権ですな。

 

去年、歌舞伎化のニュースを聞いたとき、漫画版ナウシカはセリフが時代がかっているから案外向いているかもと思ったんですが、正直ここまではまるとは思っていませんでした。

 

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「ナウシカ」で描かれている社会は封建制を基にしているので、歌舞伎と相性がいいんですかね。想像以上に違和感がなかったです。

それから、初見から声を大にして言っていますが、クシャナ殿下が最高にお美しい。

 

banana-snow.hatenablog.com

 

紫のベルベッドのマント姿がめちゃくちゃお似合いで、とにかくお美しいクシャナ殿下を拝見して感涙しています。中村七之助様、私の愛するクシャナ殿下を美しく演じてくださってありがとうございます。

 

 

ということで、以下感想!ネタバレ全開なので、ご注意くださいませ。

あと、私は歌舞伎は本当に素人なので、その点もご容赦ください。

ということで、漫画版ナウシカの古参オタク&歌舞伎素人の観点から見た感想ですので、ご了承ください。

 

 

 

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兵庫県立美術館「富野由悠季の世界展」

今週はすごく濃い週を過ごしています。新作歌舞伎のナウシカは、結局もう一度見に行きました。昼の部、夜の部と計4回、凛々しくお美しいクシャナ殿下を拝見できて、もう感無量です。とにかくあの美しい殿下のお姿に完全にノックアウトされています。色々スケジュールをぶっ飛ばしてしまいましたが、後悔はありません。(感想はなんとかまとめて、近くアップしたいとは思っていますが、動揺がおさまらない…)

 

で、クシャナ殿下ショックが収まらない中、兵庫県立美術館の「富野由悠季の世界展」に行ってきて、またまた精神的に動揺しております。

これ、12月22日までなので、スケジュール的にギリギリでした。

www.mbs.jp

関西圏の方は明日までですが、ぜひ! 

来年も全国の美術館を巡るそうなので、ガノタの皆様は行かれることをお勧めします。色々懐かしいものがたくさん見られて、すごく楽しかったです。

 

以下、簡単な感想ですが、ネタばれです。ご注意くださいませ。(あと、感想は思いっきり偏っています。まあ、ハマーン様ラブな私が書く感想なんでお察しです)

 

 

 

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歌舞伎「風の谷のナウシカ」当日券

去年「風の谷のナウシカ」漫画版をフルで歌舞伎化というニュースに仰天して以来、ずっと気になっていたのですが、日本に帰る予定が決まらなくて、切符も買えず、シネマ歌舞伎のDVDが出るのを待つしかないか…と諦めていました。

でも、日本に帰る飛行機を待っている間、空港でヒマだったので色々検索していると、当日券が出ているとの情報が!

これはもう行くしかない、と急遽予定を変更して、東京でストップオーバーして、ナウシカの歌舞伎を見ることに!(元々の予定は羽田からそのまま実家に帰るつもりだったの)

当日券を朝八時から並んで無事ゲット。

お昼と夜の部を通しで見ました。

もう感無量です。

詳しい感想は後ほど上げたいと思いますが、ひとこと。

クシャナ殿下がお美しい。

 

あれほどにお美しい殿下を拝見できるなんてもう胸が一杯。

しかも一人称が妾だよ、わ・ら・わ! 一人称を変えても違和感がないなんてすごすぎない? 

でね、お衣装が素晴らしいの!

紫のベルベッドのマントが最高によくお似合いなの!

私が知っている女性で紫のマントが似合う女性なんてクシャナ殿下くらいだよ。(あ、ハマーン様も似合うかも、だけど)

 

私の愛するクシャナ殿下を歌舞伎の舞台で拝めるなんてもう感無量です。

予定変更して、あと一日東京にいられたら、もう一回見に行けるかな…。ああ、でもこれ以上予定変更は厳しい……。うう。

 

動揺しまくっていますが、もう少し落ち着いたら、少し整理して、なんとか感想を…。

冬休み

数日前、ビビッドで奇妙な夢を見ました。なんとイリア・パゾムに誘惑されるハマーン様という夢でした。夢を覚えていることはあまりないんですが、あまりにもビビッドでセリフもクリアーな夢だったので、びっくり。これは、百合な二次小説を書けという啓示なのかしら。夢でファンフィクションのインスピレーションを得るなんて初めてなんですけど。どうしよう……。百合を書いたことないけど、チャレンジすべき?

この一か月ほどファンフィクションのインスピレーションがよく湧いてきていて、遅筆の私にはあり得ないほどのスピードで書きあげられて、2編もpixivに上げられたのよ。自分でも驚いているけど、おそらくその延長線上の夢だったのかも。

 

ああ、こんな感じで論文のインスピレーションも夢で降ってこないかな…。

 

そうそう、クリスマスプレゼントに「鬼滅の刃」の漫画を姪からねだられたので、今探しているんですが、中古品はほとんど出回ってないのね。中古品にプレミアがついているのなら、新品買ったほうがいいよね。作者さんに印税入るし。来週から日本に冬休みで帰るので、地元の本屋さんで大人買いするのが一番いいのかな。「鬼滅の刃」は人気らしいので、ちょっと楽しみ。

日本に滞在する期間は10日ほどなのですが、Gレコの映画と兵庫県立美術館で開催中の富野由悠季展を見に行ければいいんだけど、時間あるかな…。実家は関西の端っこなので、神戸まで行くのもちょっと大変だけど、せっかくなので頑張るよ!

 

 

Mr. ラコック 「カイ・シデンのレポート」より

今週ようやく連休でほっと一息です。感謝祭のお休みは山積みの仕事を片付けようといつも張り切ってスケジュールを立てるのですが、だいたいひたすら料理をして友達のうちにお呼ばれして終わりっていうのが例年のパターン。(自分でターキーを焼くのは大変なのでいつも人のお家で食べさせてもらっています)無理だとわかっているのにそれでも長い「やることリスト」を作ってしまうのは悪癖だな。

 

で、前回のつづき。

 

 ことぶきつかさ氏の「機動戦士Zガンダム デイアフタートゥモロー カイ・シデンのレポートより」(全2巻、2007)に出てくるラコックについて。(正確にはラコックの視点でみたハマーン・カーンについて、かな)

 

 

 

2巻に登場するラコックは、正直、全く記憶になかったです。本編ではファーストしか出てなかったからかな。ナミカー・コーネルやゲーツ・キャパはマイナーだけど、Z世代の私にはすぐわかるし…。

で、このラコックから見た少女時代のハマーン・カーンがなかなか面白かったです。彼は地球での旧ジオン関係者のまとめ役で、のちに地球に降りたミネバの世話役になるという設定だそう。なかなかいいですねぇ。ここからさらに、ユニコーンのジンネマンとつなげてもいいけど、個人的にはつながらない方が好みかな。(あまり福井設定につなげたくない)

ラコックはハマーンがミネバを傀儡に立てて戦争に巻き込んでいることに否定的で、そのことでハマーンに嘆願すらした、とカイに告げるのですが……。

そこで、カイはハマーンが諫言を聞き入れるような寛大な心を持っていないのではと疑問を呈するわけです。でも、ラコックはハマーンのことを「巷で言われているような方ではなく、お優しい心をお持ちの方である」とかばってくれるのが、もうそれだけで泣けるわ。(←最近、涙腺が弱い)

悪行を重ねたハマーン様だけど、たとえ一人でも彼女のことを優しい人だと言ってくれる人がいるのは救いだよね。

で、興味深いのが、彼女がその優しさを失ったのが父マハラジャとの確執という解釈。ポイントは以下の2点。

1)父のマハラジャは男子の誕生を望んでいたけど、女の子ばかりでがっかりしていた。ハマーンはその父に認められたくて軍人の道を歩むことに。

この解釈で真っ先に思い出したのが、「イデオン」のハルル。(以下ネタバレ)

 

ハルルは敵対組織側の総司令の娘で、女を捨てた女として武人の道を歩んでいるんだけど、でも過去に愛した男のことが忘れられなくて、妹のカララが地球人の男と愛し合って子どもを身ごもったことが許せなくて殺してしまう。父の総司令にも本当は女として生きたかったと訴えるんだけどわかってもらえなくて……というキャラ。富野監督の描く女性敵役のプロトタイプです。

ハルルとハマーンの共通点は多いので、富野監督がハルルのようなキャラとしてハマーンを造ったと、ことぶき氏が考えるのもわかるし、まあありうる解釈だと思います。

ただ、マハラジャ・カーンは武官ではないし、そこまで男を望むほど男系社会だったのか疑問でもあるので、個人的にはちょっと微妙な解釈です。「ありうるけど…でも…」という留保付き。

ちなみに「イデオン」は長い間見ていないので、もう一度見たいなあと思っているのですが、時間がない! ちまたで高く評価されているほどに「イデオン」を評価しているわけではないのですが(現時点で)、もう一度ちゃんと見れば再評価できるかもと考えています。まあ、そんなあやふやな記憶の中でも、ハルルは一番記憶に残っているキャラです。(基本的に私が一番興味をひかれるタイプの女性キャラなので)

 

2)父のマハラジャが忠誠の証として長女(ハマーンの姉のマレーネ)をドズルの側室として差し出したことに対して反発していた。で、ザビ家(とミネバ)に対しても複雑な感情を持つように。

 

姉がドズルの妾だったという話は小説版のZガンダムからで、昔からある話ですね。ZZアニメ本編でも「塩の湖」の回で、ハマーン様が「姉はザビ家に尽くして宇宙の果てで死んだ」という怒りの独白をしていたので、ザビ家に対して複雑な感情を持っているのも事実。姉が納得してドズルの妾になったのかはともかくとして、ハマーンがそんな姉に反発していたのは小説版で描かれていました。(でもカミーユと精神感応をした時には「姉さんは命の力が弱かったのよね」と優しい気持ちを姉とドズルのイメージに対して吐露していたけど…。←小説版Z)

 

姉をドズルに差し出した父親を恨んだという解釈はありうるけど、でも、彼女自身もキシリアのところに送られているし、そのこと自体には納得しているんじゃないかと思っています。反感は確かにあるけど、その反感が父に向かったかは別問題。

姉妹のうち長女(マレーネ)をドズルに次女(ハマーン)をキシリアに差し出したのは、マハラジャ・カーン自身の保身というよりも、生存戦略に見えるんですが。政局・戦局が不透明な中、カーン家と姉妹の生き残りをかけて二人をそれぞれ別々のザビ家の将に預けたんじゃないかな、と。もしくは、ザビ家から人質として家族を預けるように暗に要求された、というのも非常にありうる話。(史実でも戦国時代によくあったからね)

キシリアは女性だし、(性的に)手を出したりはしないけど、あんな女の子(当時のハマーンは小学生くらい?)がフラナガン機関に送られたのは、ドズルに手を出された姉と負けず劣らず不幸な話だ…。キシリア閣下に可愛がられていればまだ救いはあるんだけど、どうなんだろう。ちなみに「虹霓のシン・マツナガ」の6巻で、キシリアと子ども時代のハマーンが一緒にブリッジにあがっているシーンがあるけど…。これは後付けだな、完全に。(ちなみに、この漫画での子ハマーンちゃんはツインテールです。うぬぬ…北爪氏のCDAの影響がここにも。)そうそう、この漫画では、マレーネがドズルの妾になったいきさつが語られていて、なんだかなーというマレーネの結末です。こりゃないんじゃない?って正直思いました。

 

姉がドズルの側室(お手付き侍女って感じ?)にされたことに反感を持ち、その反感が男性性に向かったというのなら納得。ハマーン様、潔癖だから。(そういう思春期の少女じみたところが個人的には好きポイントなんだけど。)でもって、シャアがアクシズを去ってからは男嫌悪に拍車がかかり、どんどん拗らせていく…と。でも、マハラジャとハマーンの父娘関係自体は、簡単ではなかっただろうけど、確執を招くほどに悪くはなかった、というのが私の解釈です…。

 

でもでも、こんな些細な解釈違いは全然問題じゃないです!むしろ大歓迎。「カイレポ」のラコック編が好きな理由として、ハマーン様のアステロイドベルト時代に対する新たな見解が出てきたってところです。北爪氏の「CDA 若き彗星の肖像」に非常に不満があるので(はっきり言えば大嫌い)、半公式作品で「CDA」と違った解釈が出てくれば、「CDA」の正統性が揺るぐので、もっともっと色々な作品でハマーン様の過去を多様に描いて「CDA」の世界観をぶっ壊してくれと願っています。

 

で、ことぶき氏のあとがき対談でもこのあたりの事情が書かれていて面白いです。ことぶき氏も、北爪氏の「CDA」とどう摺り合わせようかと悩まれたご様子。まあ、そうですよね…。ビジュアル面では完全にCDA準拠(マハラジャの容姿とハマーンの正装姿)ですね。ただ、ことぶき氏が認めていらっしゃるように、ハマーンのザビ家に対して抱いている感情はCDAと違ってしまった、という。ラコックからの視点ということで、解釈違いを解釈してくださいと仰っていますが、ファンとしてはむしろ歓迎です。

残念なのは、ハマーンとシャアの関係について言及がなかったこと。これはつっこむのが大変だよね…。二人とも宇宙世紀の主要人物で、うるさいファン(私も含み)が多いし。公式側もなかなか許可出さないんじゃないかね。

でも、あのCDAの内容で許可が出たのが当時びっくりしました。オリジナルスタッフってさすがに強い立場なのねぇ、とも思いましたが。あれ、昔ながらのハマーンファン(私みたいなうるさい小姑…)もそうだけど、シャアのコアなファンならあり得ない内容だと思うよね…。(シャアのファンこそ怒るべき)

 

ということで、まだまだガンダム再燃&ハマーン様ラブなのは、来年も続きそうな予感。

 

 

 

 

 

 

ことぶきつかさ「Zガンダム デイアフタートゥモロー カイ・シデンのレポート」

去年の夏に突如始まったガンダム再燃ですが、しつこく続いています。ただ、ガンダム全般というよりは、ハマーン様らぶ~だったり、ZZの再評価(↑)だったり、と、非常に偏ったマイブームになっているような。実際のところ、宇宙世紀をネタにした公式二次ともいえるような作品が無数にあるので、見る/読むネタには困らないのですが、かなり複雑な気分です。この微妙な気分は、昔ながらのファンの方々ならわかってくださるものなのでしょうか…。まあ、私は割合節操がないので、公式二次作品であろうとも、後付け満載作品であろうとも、それなりに楽しみや解釈の一致を見出せるから別にいいんですけど。

 

ということで、ことぶきつかさ氏の「機動戦士Zガンダム デイアフタートゥモロー カイ・シデンのレポートより」(全2巻、2007)について、少しだけ。(以下「カイレポ」)

 

 

 宇宙世紀ものの公式二次(ガンダムエースに載っている宇宙世紀をネタにした作品群)の中で、今のところ一番スキな作品かもしれません。ことぶき氏といえば、ギャグネタ(Vガンのあれね)というイメージがあったので、こんなまじめな(失礼!)内容だと思いませんでした。

バストショットの会話劇がほとんどで、ストーリー漫画というよりは、短いエピソードを集めたSS集っぽい感じ。短い尺に作者の言いたいことを目いっぱい詰め込んだなー、という印象です。ただ、これは悪い印象ではなくて、ことぶき氏の熱意やガンダムに関する愛を感じたので、むしろ好印象です。

この「カイレポ」を読むと、氏の宇宙世紀解釈はしっかりと基本を踏まえた、オーソドックスなものだと思いました。私としては納得できる部分が多かったのも好印象の要因ですかね。

そして、各エピソードについていた担当編集者とのあとがき対談が非常に興味深かったです。(むしろ、本編よりもこっちのほうが気になったかも)

 

カイ・シデンは宇宙世紀の男性キャラでベストテンに入るくらい好きなキャラです。

彼の斜に構えたところが、ひねくれものの私のツボにはまるんです。でも、私的に一番ポイントが高いのは一年戦争後に軍人ではなく、ジャーナリストになったという点ですかね。Zに出てきたファーストのキャラクターの中で、一番納得のいく、一年戦争後のキャリアだと思います。軍人ばかりでなくて、民間のジャーナリストがいると視点が多様になるのも作品にとってプラスですね。(そういえば、∀のフランもジャーナリストだったな。)

ちなみに、私はひそかにカイとセイラさんのカップリングが好きなんですけど、どうなんでしょうか…。一年戦争中ではなくて、戦後にいい関係になることを妄想するのが好きです。一年戦争時はセイラさんとアムロがくっつくことを期待していたんだけど、ララアとシャアの件があったから、結局セイラさんはアムロと幸せになれない運命かと。でも、セイラさんには幸せになってほしい…。宇宙世紀の女性キャラではハマーン様の次に好きで、ファーストのヒロインはララアじゃなくてセイラさんだと思っています。

 

でも、カイがキスしたのはレコアだった!!!!

実は、レコアはかなり好きなキャラです。彼女もシャア被害者の女子会メンバーだからね。CVが勝生真沙子さんなのも好き要因。

ジャブローで彼女に何がおこったのかは、その後の彼女の行動を考えるキーポイントではあるのですが、正直、拷問とか強姦とかそういうのをガンダム世界で描いて欲しくないと思っています。実際、カイレポでもそこらへんは曖昧でしたが、そのほうがいいです。あと、レコアは、シャアとの関係もキーポイントですけど、なんだか辛いよね…。カイレポではシャアのことで涙を見せていたのが、可哀想で胸につまります。テレビ本編では涙は見せていなかったけど、でも泣いていいんだよ! せめて、シャアが彼女にもう少しだけ優しくしてあげていれば…。って、シャアの女たち、みんなそうじゃない?

 

で、セイラさんのエピソードがあったのは嬉しいんだけど、肝心の本人がほとんど登場せず。オリキャラ視点の話だけで、しかも「ジ・オリジン」準拠の過去話と、あまりぱっとしない内容だったのでちょっと残念。この「カイレポ」はマイナーなキャラにスポットライトを当てているのがいいところなのですが、メジャーなキャラ(例えばシャア)のエピソードはあまり面白くない……。メジャーなキャラは今までいろいろな媒体で描かれ、メジャーゆえに制約が多いので作家さんの自由な創造ができないというのが原因ですかね。

ただ、このエピソードのあとがきが興味深かったです。

安彦氏の「ジ・オリジン」と、ことぶき氏の考えていたジオン・ダイクンの解釈が微妙に違っていたけど、「ジ・オリジン」の世界を無視したり歪めたりするのは本意ではないし、読者を混乱させたくないので、そのあたりは安彦先生に許可をとって、引用することで整合性をもたせることにした、というくだりですね。

まあ、そうですよね。「ジ・オリジン」で書かれた、アニメ本編以前の世界は、勿論安彦氏の独自解釈ではあるけれど、たとえ解釈違いでもある程度尊重しなきゃいけないというのはよくわかります。特に安彦氏は宇宙世紀の世界の基礎を富野監督と共に築いた方ですからねぇ。ほんと、お疲れさまです。

でも、これってガンダム作品を創作する上で、大きな制約になるところですね。最近、整合性を合わせなければいけない部分があまりにも多くなっている気がします。

 

 

ラコックについて続きます。

 

 

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名作劇場大好き!「赤毛のアン」

仕事があまりにも忙しくて、すでに息も絶え絶えって感じです。で、作業をしながらここ最近見ていたものは、名作劇場の「赤毛のアン」と「私のあしながおじさん」です。

(作業をしながら見られるものとは、基本的に過去に一度見たもので、BGM代わりに流し視聴できるものです。まあ、うっかり目に留まって、作業の手がとまってしまうことも多々ありますけど。)

名作劇場シリーズ大好き! 終わってしまった時は、本当にがっかりしました。基本的にどの作品も好きなのですが、現代劇よりも時代劇のほうが好みですね。女の子の服装がクラシックなのが好きなんです。それから、少女小説が原作の方が好きです。女の子が活躍するし、衣装の細かい描写がある場合が多いので。(衣装にうるさい)

で、名作劇場の中で、一位か二位を争うくらい好きなのが、高畑監督の「赤毛のアン」。

  

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正直、高畑監督の作品で一番好きかも。リアリティを追及した描写が素晴らしい。当時のプリンスエドワード島の暮らしに詳しいわけではないのですが、かなり詳細にリサーチされているなと感じます。当時は今ほどインターネットで簡単に検索できるような時代ではなかったので、資料集めが大変だっただろうに、さすがは高畑監督だと感心します。ディテールに凝った生活描写がとにかく大好きなんです。衣装描写もすごくリアルで、いいんですよ。特にアンの地味な服装が素晴らしい。おかげで、マシュウが買ってくれた膨らんだ袖のドレスの喜びが増すというものです。このドレスのビジュアルも原作に忠実で最高です。とにかく原作のイメージがうまく映像化されています。

 

ちなみに、「赤毛のアン」は何度も実写化されていますが、実写映画ではケビン・サリバン監督でミーガン・フォローズがアンを演じている1986年のものが一番好きです。

 

youtu.be

 

この映画の最大の欠点はアンの膨らんだ袖のドレスが焦げ茶色ではなかったということです。水色だったのですが、水色はアンにあまり似合わないと思うので、かなりがっかりしました。(それを差し引いても、いい出来だったと思うので、勿体ないマイナスポイントだ…。)

 

私は赤毛のアンシリーズが子供のころから大好きで、「アンの娘リラ」まで全シリーズ買って何度も何度も繰り返し読んでいたので、原作に忠実なアニメ化というのは非常にポイントが高いです。でもって、アンの空想部分はアニメの特性を活かしたファンタスティックな描写で、水彩画のような背景美術も、味があります。それから、セリフも古めかしくていいんですよ。「よござんす」とか、言葉使いが古風で上品なのがいい!これも原作(の翻訳)に忠実な結果ですが、私的には大満足。

「赤毛のアン」シリーズのおかげで、子どものころからモスリンだのオーガンジーだのを使ったクラシックな衣装に対する憧れが生まれました…。

それに、美味しそうな食べ物の数々!

他にも、子どものころから空想(妄想?)好きで、文章を書くのが好きだった私にとって、アンには並々ならぬ親近感を抱いていました。

でも、結局、「赤毛のアン」シリーズが私の人生に決定的な意味を与えたのは、女の子が勉強して上の学校に進学することを肯定的に捉えられるようになった点ですかね。関西の保守的な田舎で育った私にとって、女の子が勉強して東京の大学に進学することは本当に大ごとだったんですよ。両親は賛成してくれましたが、周囲からはあれこれ言われました。そのあと、アメリカの大学院への進学なんて、母親にすら反対されたものです……。

ちなみに、「アンの愛情」でレドモンド大学に進学したアンがパティの家で友人たちと過ごした共同生活に子どものころからすごくすごく憧れていました。そして、大学院時代、仲のいい友達と一緒にシェアで暮らしていたんですが、ちょうどあんな感じで、一緒に夜まで居間で語り合ったり、試験勉強にあきて夜中にクッキーを焼いてみたり、たくさん作ったごはんをお互いにおすそ分けしあったり、と。内心、パティの家みたいだな、とニヤニヤしていました。

 

アンの愛情 赤毛のアン・シリーズ 3  (新潮文庫)

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衣装や食べ物の描写に関しては、オルコットの「若草物語」も好きだったのですが、説教臭いのと、アンのように上級の学校に進学する野心が四姉妹にはなかったのが、私にとってはアンシリーズほど好きになれなかった理由ですかね。

 

名作劇場の「赤毛のアン」は、前半部分、宮崎監督も参加されていたのですが、アンの動きがときどきコナンぽかったりするのはそのせい? 当時駆け出しだった富野監督もクレジットでお名前(とみの喜幸)を拝見するとなんとなく新鮮な感じがします。